猫”

児島虎次郎は、1922(大正11)年から1923(大正12)年にかけて、西洋の名画収集のため3度目のフランス留学を果たしました。 その行きと帰りにエジプトに立ち寄っています。
児島は、以前からオランダのライデンの国立古代博物館でエジプトの古美術を鑑賞するなど、エジプトの文化に非常に興味を持っていました。 1922年6月の往路では、カイロ、ギザのピラミッドなどを訪れ、非常に感銘を受けました。1923年3月の復路では、カイロ、ギザのほかルクソールなどにも訪れています。 この時、児島は骨董店などをめぐり、エジプト古美術を収集しました。
児島が収集したエジプト古美術は、現在、大原美術館の児島虎次郎記念館と、成羽町美術館に収蔵、展示されています。

■解説
ファラオ時代の末期のサイス期(紀元前663-525)には、エジプトのデルタ地方のサイスに首都が移動し、女神バステトの神殿が栄えました。猫は女神バステトに属する神聖動物であり、神殿に多くの猫の像が奉納されました。また、猫は古代エジプトでは、犬とともにペットとして飼われていました。
この「猫」も奉納像の一つです。前方を注視する猫の精かんな体つきが写実的に表現されています。


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