
■解説
松本竣介(1912-1948)は東京生まれ。
幼少期を岩手県で過ごしました。エンジニア志望でしたが、13歳の時、病で聴覚を失い、画家を志すようになります。
上京し、太平洋画会研究所に学んだ松本は、やがて二科展に出品するようになります。当時前衛的な活動をしていた鶴岡政男、難波田龍起らのクループの同人となるほか、1940(昭和15)年、二科会の前衛的なグループ九室会に入会しました。
太平洋戦争期には戦争絵画へ向かう画壇の傾向に反対を表明し、靉光、麻生三郎らと新人画会を結成しました。戦後は自由美術家協会に参加しましたが、それからまもなく36歳の若さで亡くなりました。
「都会」は九室会に入ったころに制作されました。青を基調に、建物や人物などのイメージを重ね合わせ、都会の雑踏の中での孤独、後に続く暗い戦争の時代への不安を感じさせます。