セザンヌ

水浴

■解説
ポール・セザンヌ(1839-1906)は、南フランスのエクス=アン=プロヴァンスに生まれ、この地で亡くなりました。 最初は印象派の画家たちの影響を受けましたが、しだいに自然の印象を円錐、同筒、球体などの基本的な形体としてとらえなおし、画面を構築していくという独自の作風を追求するようになりました。
セザンヌは、生涯に絵画、素描、版画などを含め、200点以上もの水浴図を制作しています。セザンヌにとって、水浴図のテーマは、人物と風景との構成と調和を探求するのに適した題材でした。 この「水浴」では、5人の人物を三角形の構図におさめており、セザンヌの造形に対する強い意欲がうかがえます。

 

■エピソード
現在、大原美術館にはセザンヌの油彩画が2点あります。「水浴」は、このうちの1点。 日本画家・土田麦僊が、1921年から23年にかけてのヨーロッパ旅行中に購入したものです。
土田麦僊は、セザンヌのこの作品に大変ほれこみました。彼は妻に宛てた書簡で、自筆の簡単な模写を添えて「この画と少し違ふけれども感じは同じ、 到着したら大切に何よりも大切にして保存して置くがいゝ、画に紙などつかない様に」(注1)と書いています。
麦僊の死後、さまざまな人の手をへて、大原美術館に収蔵されることとなりました。麦僊のご遺族は、大原美術館に展示されることになったと聞き、 「大変名誉なことである」といって喜んでくださったといいます。
注1:田中日佐夫編・解説「土田麦僊ヨーロッパからの書簡」より引用

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